鍵を閉める

一人暮らしをするなら、できるだけ防犯対策をすべきです。「私は大丈夫」と過信し、防犯対策を怠っていると、犯罪に巻き込まれる可能性も。特に女性は不審者から狙われやすいので、しっかり防犯対策をしましょう。

一人暮らしの女性を狙った犯罪

窃盗や覗き、ストーカー行為、盗撮盗聴、性犯罪など、女性の一人暮らしを狙った性犯罪が後を絶ちません。都内における性犯罪は、強制性交が約230件、強制わいせつが約550件、痴漢は約1,300件の検挙事例があります。
注目したいのは発生場所で、約51%がマンションや戸建ての住宅内で起きている点です。安心できるはずの自宅内でこのような事件が起きているのです。一人暮らしだと、何かあった際、助けてもらえない可能性があるため、自宅であっても注意が必要でしょう。犯罪は時と場所を選びません。思いがけないときに襲い掛かってくるため、大切なわが身を守るため、常に戸締りを怠らず、日ごろから防犯意識を高めることが大切です。

一人暮らしで意識したいやってはいけない行動

空き巣

ちょっとした油断で大きな事件に巻き込まれる恐れがあります。一人暮らしをしている女性は、毎日の行動にも気を配り、少しでもリスクを減らす行動が大切です。

相手を確認せずドアを開けない

心当たりのない訪問者に対して、無防備でドアを開けないようにしましょう。モニター付きインターホンであっても、相手が何を言っているのか聞き取れない場合には注意が必要です。宅配業者であっても、装っている可能性があります。宅配便に思い当たりがあるか、思い出してみましょう。心当たりがないようであれば、断ることが大切です。
出るときはチェーンをかけた状態でカギを開ける、すぐに通報でけるようにスマホを持つといった対策をとるといいでしょう。

洗濯物を安易に外に干さない

洗濯物を外に干したいと考えている人は多いかもしれませんが、防犯、安全面の観点から避けたほうがいいでしょう。洗濯物を見れば、そこに住んでいる人の性別や年齢層を予測することができるからです。また、これは一人暮らしに限った話ではありませんが、目につきやすい場所に下着を干してしまうと盗難の被害にあう可能性があります。
外に干したい場合は、在宅中に干す、個人を特定されてしまうもの(下着など)は見えにくい位置に干すという2点を意識しましょう。

郵便受けのカギは開けっ放しにしない

郵便受けにダイヤル式の数字錠がついている物件は、毎回カギをかけるようにしてください。カギがない場合は取り付けて防犯性を高められます。ポストないが見られないように目隠しすることも効果的です。カギをかける以外にもポストの郵便物をこまめに取り出すことも防犯対策になるので、こまめにポストをチェックしましょう。
単身者向けの賃貸マンションやアパートの場合、住人同士の交流があまりなく、住んでいる人の顔を知らないことも多いので、不審者がポストをあさっていても、住人を装っていれば怪しまれなかったりします。ポストから通販で購入した商品の盗難や、個人情報が書かれている郵便物を盗難するケースが起きています。もしも、盗難が発覚したらすぐに警察へ被害届を出しましょう。

短時間でもカギをかけず外出しない

ゴミ出しでも外出するときはカギをかけることが鉄則です。ほんの短時間でも空き巣が侵入することがあります。ゴミ出しから戻ってきたとき空き巣が部屋で待ち構えている事態も考えられるため、短時間でも家を空けるときは、カギをかけるようにしましょう。

窓を開けっぱなしにしない

アパートやマンションなど、2階以上であれば窓を開けっ放しにしても問題ないと思っていませんか。実はとても危険です。空き巣は事前に侵入する家をリサーチしています。しかも、家の構造、家族構成、生活リズムまで調べているそうです。最上階でも屋上を伝わり侵入してきます。
1日中窓を開けていれば、空き巣に目をつけられる可能性が高くなります。数十分程度であれば問題ないですが、暑いからと夜間開けっ放しにするのは避けたほうがいいでしょう。

背後を確認せず家に入らない

自宅に入るときは、必ず背後に不審者がいないか確認してください。万が一、不審者に入られると、密室に2人きりになってしまい、逃げ場がありません。
歩きスマホや音楽を聴きながらだと画面や音楽に意識が傾き、周囲に不審者がいても気づかない恐れがあります。自宅につく前に後ろを振り返り、周囲の状況を確認するようにしましょう。
大阪府では、男が帰宅する女性に目をつけて尾行し、割り出した自宅マンションの廊下で待ち伏せしていた事件も発生しています。日ごろから身を守るために不審者への警戒意識を高めましょう。

濡れた傘を出しっぱなしにしない

雨で濡れた傘を、外に出しっぱなしにしてはいけません。1本だけしか濡れた傘がなければ、一人暮らしだということがわかってしまうからです。さらに傘の色や柄がかわいらしいデザインだと、住んでいるのは女性だと推測されてしまいます。濡れた傘を部屋に入れるのは抵抗感があるかもしれませんが、防犯のためにも外に出しっぱなしにしないようにしましょう。

一人暮らしにおける防犯対策

女性の一人暮らし

ここからは一人暮らしの女性がやっておくべき、防犯対策を紹介します。

在宅中でも家のカギとチェーンは必ずかける

空き巣の手口として最も多いのがカギのかけ忘れの家を狙った犯行です。これからは不在・在宅にかかわらず家のカギはかけるようにしましょう。カギのかけ忘れによって入り込むのが空き巣だけではなく、盗聴や盗撮をもくろむストーカーや性犯罪者かもしれません。また、たとえ大きな犯罪被害に遭うことがなくても、見知らぬ人間が勝手に入り込み食べ物を食べたり、トイレを使っていたりしたら、強い不快感を覚えるでしょう。さらに帰宅時に鉢合わせしてしまう恐れもあります。

窓に二重ロックをつける

窓からの侵入を防ぐために、二重ロックをつけるのが効果的です。具体的には窓に通常のカギに加えて補助錠をつけることになります。空き巣は人に目撃されることを嫌がるので、侵入に時間のかかる家を嫌います。二重ロックにすることで、カギが1つの場合に比べて時間がかかるため、空き巣が侵入を諦めてくれるでしょう。

窓に防犯フィルムを貼る

空き巣の侵入方法は以下のように窓ガラスを破って侵入してきます。

  • マイナスドライバーでガラスを小さく割り、カギを開ける。
  • バーナーなどでガラスを割り、カギを開ける
  • ガラスを身体全体が通れるくらいの大きさを割る

そのため、窓を強化することで、被害リスクを軽減できます。代表的なアイテムが防犯フィルタです。窓ガラスに貼るだけで、割れたとしても外側から入りにくい窓となり、防犯面で強化できます。外から見えにくいマジックミラータイプだと、のぞき見防止効果も期待できます。
地震や火災などの災害でガラスが割れた時の飛散防止にも効果的です。

玄関に男性物の靴を置いておく

宅配業者を装い玄関を開けさせて、部屋の中を伺う不審者もいます。そのような不審者に女性の一人暮らしを悟られないように、玄関に男性物の靴を置くのが効果的です。ただし、新品の靴だとバレてしまう恐れがあるので、父親や兄弟、彼氏などのいらなくなった靴を使わせてもらうといいでしょう。

スマートロックでロック状況を確認

スマートロックとは、スマートフォンやパソコンのアプリを使って施錠・解錠ができるデジタルキーのことです。ロック状況の確認もできます。外出先からでも確認できるため、何かあったときの対処がスムーズになります。

防犯性の高い物件とは

女性の一人暮らしでも安心できる防犯性の高い物件の条件について紹介します。

オートロック付きの物件

オートロックとはカードやカギ、暗証番号が認証されると共用玄関のドアが開くシステムです。扉が開いて一定時間が経つと自動的に施錠されることからオートロックといわれています。
オートロックは来訪者を確認して施錠を解除できるため、許可のない部外者からの侵入を防げるため、防犯性が高いといえるでしょう。
ただし、過信は禁物です。建物の中にいる人が住民とは限りません。宅配業者がなりすましたり、住民が出入りする隙を利用して侵入される可能性があります。オートロックだからと油断せず、玄関や窓はしっかり施錠しましょう。

モニター付きインターホンである

モニター付きインターホンがあれば訪問者を確認するのに便利です。訪問者を確認してから会話できるので、従来のインターホンより安心して対応することができるでしょう。また、姿を見せたくない空き巣や不審者が嫌がるため、防犯効果を高められます。

室内洗濯機置き場がある

もしも屋外に洗濯物を設置しなければならない場合、洗濯するとき必ず外に出て作業する必要があります。その姿は外から見ることができるので、女性が住んでいるといっているようなものです。通路側に洗濯機を置くような場合、洗濯物を盗難されてしまうリスクもあります。
室内に洗濯機が置ければこのようなリスクがないため、室内に洗濯機を置くようにしましょう。

2階以上の部屋

空き巣をはじめとする外部からの侵入窃盗の犯罪は1階の部屋で起こりやすい傾向にあります。2階でも足場があれば侵入できますが、1階よりリスクが低いといえるでしょう。3階以上の回数になると侵入リスクは低くなります。
ただし、2階だからと安全というわけではなく、基本的な戸締りは必要です。

宅配ボックスがある

訪問者の対応をしたくない場合は、宅配ボックスがあると便利です。宅配便は届け先の住所に配送されるため、自宅の玄関先まで届けてくれます。しかし、宅配業者を名乗る不審者もいるので、宅配便が来たからと安易に玄関先へ通してしまうと防犯上問題があるかもしれません。このようなときは宅配ボックスを活用すれば便利です。