法律

不動産取引は厳しい規制があります

不動産業界は取り扱われる金額が他の業界に比べてかなり大きなものであることから、取引について厳しい法律で規制を受けています。

特定の物件について世間に広めるために使用される広告に関しても「宅地建物取引業法」と「不動産の表示に関する公正競争規約」などによって行ってはいけないルールが定められていてそれに違反する広告を使った客引きをした業者は厳しく罰則が適用されることになっています。

それにもかかわらず毎年違反広告物件として取り締まりを受ける業者は後を絶たず、しかも年々方法が巧妙化してきているという傾向もあります。

購入者側である私たちにとってはそうした判断は難しいところですが、実際のところ完全に違反ということまで言い切れないグレーな範囲の行為については不動産業界内では暗黙の了解となっていることもよくあります。

全ての不動産業社が消費者を騙して自分たちだけ多く儲けようと思っているわけではないでしょうが、それでも営業方法によっては取引後に「どうしてこんな契約をしてしまったんだろう」と後悔する事例もあるので注意をしておきたいところです。

そうした契約後のトラブルを避けるためにも、まずは不動産業界によくある暗黙のルールにはどういったものがあるかということを知っておく必要があります。

気をつけたい「おとり広告」とは

中でも不動産関連の広告でよく見かけるものとして「おとり広告」があります。

過去に摘発を受けた不動産業社の違反行為としてもこの「おとり広告」に該当するものはかなり多く、「新築住宅を割安で購入できるかのような広告が、実際には土地の値段しか計上していなかった」「売り主は土地を売るつもりでいたのに、業者があたかもそこに建売の住宅を作る予定があるかのように広告をうった」などといったケースがあります。

上記の例などは明らかに「おとり広告」として一見お得な情報に見えるものを打ち出して誘い込むものですが、実際には完全にクロとは言えないグレーな行為で行っている場合は多々あります。

賃貸広告を見ていても、目立つところに掲載されているのは周辺の相場と比較してかなり安い物件であったりします。

ですが実際にその物件と契約をしようと思って会社に行ってみると、いろいろな説明を受けて結局別の物件を勧められたというようなことがよくあります。

広告においては基本的に都合の悪い部分は掲載しませんので、話を聞いてみたら不都合な点がいっぱいだったなんていうことはよくあるのです。

複数の物件を内見するときの注意点

物件をいくつか勧められてそれらを内見することになった場合には、その順番について業者側に強く勧められていないかということを意識した方がよいでしょう。

複数の物件を比較するときにはどうしても前に見たところと比べてどうだったかという相対的な評価をすることになってしまうので、本当に勧めたいと思う物件の前に良くないものを見せられると本来の評価よりもかなり高くその物件を考えてしまったりします。

よくある営業方法としては、悪い物件、悪い物件、良い物件という順番で見せるというものがあります。

お勧めの物件をよりよく見せたいがために、特に顧客側が希望をしていなくても複数の内見を進めるというケースもあるようです。

また本来は時期や物件の状況によってそれほど人気がないにもかかわらず「今決めないと明日には別の人が申し込みをしているかも知れない」と判断を急かすというのもよくあるテクニックです。

勧められた物件であっても心の中に迷いがある場合には決して即決はせず、落ち着いて本当にそこでよいかということをじっくり考えてから決めるようにしましょう。